最近、なんだかからだが重い・・・

体重を測ってみたら、やっぱり少し太ってた。

今日からダイエットするぞ！

ご飯を抜こう。間食もしない！

・・・それは悪いことではないのですが、あなた、本当に太ってますか？？

太っている、というのは、健康体重からすると、ＢＭＩ値が２５以上の状態を指します。

ちなみに、やせはＢＭＩ値が１８．５未満、適正体重はその間の「ＢＭＩ値が１８．５以上２５未満」となります。

＜　ＢＭＩ　＝　体重（㎏）÷身長（ｍ）÷身長（ｍ）　＞

例えば、体重48㎏で身長が154ｃｍ（つまり1.54ｍ）の場合、ＢＭＩ値は

48　÷　1.54　÷　1.54　＝　20.2　となります。

ということは、この方は適正体重です。やせる必要なんて、全然なし。

でも、美容体重としては「身長－１１０＝美容体重」と言われていますので、それに当てはめると、

154　－110　＝　44

もし、身長が44㎏で身長が154ｃｍだったら、ＢＭＩは「44÷1.54÷1.54＝18.6」でぎりぎり適正体重。

下手したら「やせ」に簡単に入れる体重です。

「でも、やせてて何か問題あるの？」「太っているよりやせてる方がいいじゃん！」とよく言われますが、実は「やせ」も問題。

「やせ」と「肥満」では、その良くない仕組みが違うだけで、両方ともＮＧなのです。

じゃあ、「やせ」の何が悪いのでしょうか？？

卵が出ない！

思春期を迎えた頃から女性は、ホルモンの働きに影響を受けます。

そのホルモンの働きによって起こるのが「排卵」です。つまり、卵巣の中で育った卵胞から卵子が飛び出ること。

この仕組みは

脳の視床下部からGnRH（性腺刺激ホルモン放出ホルモン）が分泌

↓

脳下垂体から性腺刺激ホルモンであるFSH（卵胞刺激ホルモン）とLH（黄体形成ホルモン）が分泌される

↓

卵胞からエストロゲンが分泌

↓

卵胞の発育に従いエストロゲンの分泌が増加

↓

ある一定の量のエストロゲンが分泌されたところで、脳下垂体が反応しLH（黄体形成ホルモン）の分泌量が一気に上昇

↓

それをきっかけに、卵胞から卵子が飛び出る

となっています。

しかし、ＢＭＩ＜18.5など、正常範囲を超えて痩せてしまうと、司令塔である視床下部の働きが低下し、一番最初のGnRH（性腺刺激ホルモン放出ホルモン）が正常に分泌されなくなります。

そのため、卵胞を刺激するFSHの分泌も障害されるため、卵胞が育たず排卵されないのです。

これを「排卵障害」と言います。

つまり、やせすぎは排卵障害のリスクを高め、赤ちゃんができにくいからだとなってしまうのです。

摂食障害

「やせ」の中でも、標準体重の80％以下の体重しかない場合は特に注意が必要ですが、その方は、はっきり言いますが、摂食障害をお持ちじゃないでしょうか。

摂食障害には、神経性食欲不振症（食べられない）と神経性過食症（食べて吐く）の二種類があります。

過食症の場合、たくさん食べるから太りそうなものですが、その後吐きますので、結局はやせてしまいます。

摂食障害の場合、体重や体型に対する顕著なこだわりと、太ることへの強い恐れがある、と言われますが、貴方はいかがでしょうか。

いずれにしても、妊娠を望むのであれば、摂食障害を治し、体重を標準体重の90％まで戻すことが必要となります。

そのためには専門医の治療を受けたほうがよいでしょう。適切な治療を受け治癒すれば、治癒後１０年で80％の方が月経が回復し、体重が回復した後では、９割近いカップルが妊娠できた、というデータがあります。

ただし、摂食障害を治してから、妊活や不妊治療に入ります。同時は無理です。

摂食障害の場合、無月経のことが多く、それで妊娠ができないのですが、無月経の治療をするとなると、標準体重の70％以上にならないと行うことができません。

なぜなら、70％以下では、月経が再び始まっても月経の出血によって貧血状態になったり、体力を消耗したりして、妊娠するには負担が大きすぎるからです。

また、十分に体重が回復しないまま妊娠できたとしても、流産率や低出生体重児、帝王切開率、産後うつ病などの、妊娠合併症の頻度が高くなります。

なので、妊娠を望む場合は、摂食障害を早めに治しておきましょう。

今回は少々厳しいことを書きました。

周りを見回すと、やせても太っていても妊娠しているじゃないの、と思います。確かにそうです。

でも、その人が本当に順調にマタニティー生活を送っているか、生まれてきた子供は幸せなのか、はわかりません。

また妊娠に限らずですが、あらかじめわかっているリスクは、取り除いていた方が安心ではありませんか？

妊活や妊娠中において、やせすぎは危険です。

少なくとも、赤ちゃんを望むのであれば、美容体重は「無視」です。

安易にダイエットは、しないでくださいね。